CASE 12 : 乾燥注意報
7歳
トイプードル
♂
両肘、脇〜お腹〜股にかけて
カサカサして広範囲に脱毛している
痒くフケが多い
臭いがする
この季節になると、皮膚が乾燥して痒く肌がカサカサな子が来院します。
これは、冬の季節から空気が乾燥することと、
「コタツの中に入りっぱなし」(これが特に多い)
が関係していることが多いです。
乾燥することで皮膚が保湿機能・バリア機能が十分ではなくなり、
肌の乾燥がますます進み、皮膚の状態がさらに悪くなるスパイラルに陥ります。
痒みの原因を探る場合は、まずは
被毛検査、掻爬検査、細胞診などの検査にて
皮膚の感染症(寄生虫・細菌・マラセチア・皮膚糸状菌)を疑います。
今回は、マラセチアが大量に増えていました。
(小さいツブツブがそうです)
マラセチア性皮膚炎は、
真菌感染症でマラセチアという酵母菌の一種が
過剰に増殖しています。
マラセチアは常在菌なのですが、
皮脂が増えてベタつきやフケが増えて(脂漏症)
皮膚の状態が悪くなると増えます。
治療は抗真菌剤や抗生物質、シャンプー、軟膏等を駆使して行いますが、
簡単にスパッと治りにくく、根気のいるケアが必要になります。
治療期間が数ヶ月かかることもあり、
良くなったと思ったら再発してしまう厄介な皮膚病です。
上手くつきあっていくためにも、
コタツに入りっぱなしは注意が必要です。